コンテンツのはじめに・・・ 十二国記シリーズは講談社より発刊されている作家/小野不由美氏による一連の作品群です。 *個人サイト『にゃおんの休日』に於ける当コンテンツは管理人個人が私見/私文を連ねている非公認のファンコンテンツです。 *<<警告>>以下は原作からは異なり、管理人の推測・想像で描かれた2次作場面です。
■■■ 十二国お題 手慣らし編 ■■■
− 「お茶などいかがですか」 − 雲上の楼閣。室内は華美な装飾を抑え機能的にまとめられている。 床から直置きされて積み上がった文書の山々がなければ。 「はぁぁぁ」 「溜息をつく余裕があるんだね」 「え…」 「飲食店組合の再編と薬業組合参入基準。天官府職務分掌の組替え、予備費支出申請、才国表敬訪問団員及び献上品目録、卓郎君生活費支出明細」 「ちょ、ちょっと待ってよ兄さん」 「なんだ?」 「卓郎君生活費支出明細って何?」 「知らないのか?王やその家族の生活費は国の威信を維持する最低水準を国家予算から賄う事が出来る」 「いや、だからそれの僕の分を」 「今年度分、赤字になった原因を見直し改善案を宗王宛、天官長宛各1通作成提出のこと。そこに指示書が付いている通りだ。質問は?」 「ありません」 「じゃ、僕はもう休むからこれで」 「え?」 「そこに残っているのは全部お前の担当分」 「…そんなふうには見えませんが」 「何か言ったか?」 「承知しました」 「父さんと母さんは今日から離宮で静養。文姫は雁国で視察中。そこにある文書は明日政務開始と同時に各部門へ配送することになっているからね」 にっこり笑って肩ごしに手を振りぱたんと扉が閉まる。堅才な兄、英清君は毎日の業務と臨時代行分を既に終えている。 「久し振りに戻って来たら速攻これだから」 部屋に残った次男坊、卓郎君は浪費の後始末にと渡された多量の文書の谷間で、しかし何だか嬉しそうに溜息をついた。 「お茶などいかがですか」 「うん、一緒にお茶にしよう。昭彰だけだよ優しいの」 「利広様の分は少し濃い目に煎れましょうね。明朝まで一睡もできないのでしょう?」 「あ、昭彰」 「お茶をご一緒したら私も引き取らせていただきますね」 「え?」 「利達様から、手伝ってはダメだよと言われましたので」 玲瓏で聡明な宗麟昭彰はその優しい微笑みで人々の心を潤す。 「うふふ、その山が片付きましたら、厩舎の鍵を見つけて差し上げますから頑張って下さいね」 ---- 私、昔から言われてます。台詞主体の書き方するねって・・・orz利達兄さんの『お兄さん』振りと昭彰の宗麟らしさを書いてみました。地文を練習するためのリハビリなんですが、えーと。