コンテンツのはじめに・・・ 十二国記シリーズは講談社より発刊されている作家/小野不由美氏による一連の作品群です。 *個人サイト『にゃおんの休日』に於ける当コンテンツは管理人個人が私見/私文を連ねている非公認のファンコンテンツです。 *<<警告>>以下は原作からは異なり、管理人の推測・想像で描かれた2次作場面です。
■■■ 十二国お題 手慣らし編 ■■■
− 剣と呪具と − 風雨が髪を荒々しく掻き乱す。 歩く。 崩れた塀の向こうでうずくまる人々は只耐える事だけに己が生を費やすだろう。 歩く。 小さな村の堤が直されるまでにどれだけの月日を費やすだろう。 歩く。 豪雨に洗われた土地は地力を失い、日差しは大地を焼き、人々は流れ。 歩く。 土砂に埋もれた田畑に再び実りがもたらされる日は遠く。 歩く。 あらねばならない。 しなければならない。 できねばならない。 「お前は達王の名に圧し潰されて滅ぶ最初の王だ」 「・・・」 「お前の名に畏怖し己を失う次代の王達を見せた」 「・・・わからぬ」 「自分自身に冠された賢王の名を支えきれなくなった。支えるだと?」 「ちがう」 「怖いか、迷いか、怒りか、悲しみか、痛いか、苦しいか、満たされぬ思いは何処までも虚ろなままだな」 「・・・」 「吐くがいい」 「・・・だ」 「最後の思いを聞いてやる」 「・・・」 「宮殿にはもう戻らぬつもりで鞘を残し、私を連れて出たのだろう。私はお前との約定に従い景王に仕える。最期の言葉を剣に収め、玉座で王を待つ」 「・・・、・・・・・・・、・・・」 「さらばだ、達王」 雷鳴良響 緑樹良萌 驟雨払塵 閃光裂澱 ---- 文章を著すのは己の無知を晒す事かもしれません。無尽蔵な全てを知り尽くす事はできないわけですが、知識欲は尽きず。なんとか最初の目標、『三日坊主で終わらない』を達成。・・・千里の道も一歩から、ですよ。